ブログの更新が2ヶ月ぶりとなってしまいました。その間に季節は冬から春へ。マーケットでは米国の利上げ、シリア問題や北朝鮮問題、米中首脳会談、フランス大統領選挙(1回目)など様々なイベントがありましたね。ブログは更新できていなかったのですが、この間もしっかりトレードし、相場と向き合ってきました。久しぶりの記事なので何を書こうか少し迷っていましたが、やはり慣れしたんでいるトルコリラについて書いていきます。(*4月28日に加筆あり)
1ヶ月ぶりに31円台へ

日足チャートです。今週に入ってからフランス大統領選挙が想定通りだったこと、北朝鮮と米国の地政学リスクが和らいだこともあり、リスクオンムードですね。トルコリラ円も31円台まで回復してきました。当面は②月につけた31.73円を目指すと思うのですが、そこを抜けるとWボトムの形となりその後も上昇するかもしれません。

また、一目均衡表でみても、雲を突き抜けてきました。遅行スパンもローソク足を上抜いてきましたので、トレンドとしては、上昇トレンドに入っていると感じています。ローソク足が雲を突き抜けたのは、2016年12月以来となりますね。
大統領権限強化の総選挙を振り返る
4月16日−17日には、トルコ国内で大統領権限を強化する国民選挙が行われましたね。結果は、賛成が過半数を取りました。これでエルドアン大統領の権限は強化され、独裁色が一層強くなると思われます。
この状況に関してメディアで様々な意見や批判もありますが、一旦はトルコ国内の混乱は避けられたとの判断か、リラ高となりました。
しかしエルドアン大統領は、利下げ推進派でもありますので、今後利下げが繰り返されるとリラ安、暴落も起こる可能性もあり、まだまだリラ円については安心できないと思います。
「トルコリラ円は底をついた」なんて声もチラホラ聞こえてきますが、本質的な課題はまだ残っており、個人的にはそのうち一段安がくるのではないかなとも心配しております。
トルコの本質的な課題
今回の選挙によって大統領権限が強まり、反対派を力で抑え込み、安定的な政治運営が予想されています。政治運営は安定するかもしれないのですが、問題の経済が回復基調に転換してきません。
原因は近年頻繁に発生しているテロやEUとの関係悪化により、旅行客が激減しているからです。トルコ経済は旅行者によるインバウンド需要が大きいのです。その結果、国内産業が育たず、高インフレ、高失業率という負のスパイラルに陥っています。
インフレ率を表す消費者物価指数(CPI)は、3月が11%で、トルコ中央銀行の目標値を2倍ほど上回っています。また失業率は、13%(若者だけに限って言うと約25%!)と高い水準です。直近のEUの失業率が8%台であることから考えてもかなりきつい状況です。(ちなみに米国、日本、ドイツなどの先進国は3-4%台となっています)
もし日本で失業率が11%台なんてなると、借金苦で自殺者が増加してしまいますね。(恐ろしい)
トルコは、人口ボーナス期に来ていて、年間100万人ずつ人口が増えているのですが、その人口増を吸収するだけの雇用が創出できていないところが非常に悩ましいです。雇用が作れて、人口も継続的に増加していくことができればGDPも上がり、多くの投資家がトルコに投資する流れが作れるだろうと思います。
4月トルコ中央銀行の政策金利は現状維持
4月26日にはトルコ中央銀行による政策金利の発表がありました。選挙後初の政策金利発表だったので、注目していましたが、結果は現状維持でした。そのことも好感され、リラは31円台へ回復したのであろうかと思います。
次の大統領選挙は、2019年11月
エルドアン大統領の再選がかかる次の選挙は、2019年11月です。まだあと2年半も先のことです。この2年半でエルドアン大統領に対抗できる指導者が現れるか、エルドアン大統領が経済政策を打ち出し、成功させて再選するか、どちらかを期待したいところです。
現状維持ではいつデフォルトに陥るか非常にリスクが高いと感じるからです。

mako

最新記事 by mako (全て見る)
- <まとめ>米大統領一般教書演説の見どころ 2018.01.31 - 2018年1月31日
- <相場が動く>仲値とは - 2018年1月30日
- トレードする時間帯を決める【改定版】2018.01.26 - 2018年1月26日
コメントを残す